東京都 卸売業者の経営状況(概要)
水産物部、青果部、花き部のいずれも減収減益<東京都中央卸売市場の卸売業者29社の29年度(平成30年3月期)事業報告書を集計>
【ポイント】
○ 水産物部
売業務における販売数量は減少、販売単価は上昇した。
「売上高」は、卸売業務、兼業業務いずれも減少したため、減 収となった。・「売上総利益」は、兼業業務利益が増加したものの、受託販売 手数料及び買付販売利益が減少したため、全体では減益となっ た。・「営業利益」及び「経常利益」は、売上総利益の減少が販売費 及び一般管理費の減少よりも大きかったため、減益となった。
○ 青果部
卸売業務における販売数量は減少、販売単価は野菜が下落、果実は上昇した。
・「売上高」は、卸売業務、兼業業務いずれも減少したため、減 収となった。・「売上総利益」は、受託販売手数料、買付販売利益及び兼業業 務利益のいずれも減少したため、減益となった。・「営業利益」及び「経常利益」は、売上総利益の減少が販売費 及び一般管理費の減少よりも大きかったため、減益となった。
○ 花き部
卸売業務における販売数量は減少、販売単価は切花が下落、鉢物は上昇した。
・「売上高」は、卸売業務の減少が兼業業務の増加を上回ったた め、減収となった。・「売上総利益」は、兼業業務利益が増加したものの、受託販売 手数料及び買付販売利益が減少したため、全体では減益となっ た。・「営業利益」及び「経常利益」は、売上総利益の減少が販売費 及び一般管理費の減少よりも大きかったため、減益となった。
総取扱金額(売上高)は、青果部が約5千7百億円と最も大きい。
次いで、水産物部が約4千8百億円、花き部が約820億円となっている。
売上総利益率(粗利率)は、花き部が9.62%、青果部が6.81%、水産物部が4.58%、と花き部が一番大きい。
これは、総取扱金額(売上高)に占める受託販売の割合が約93%を占め、受託販売手数料率も花き部が一番高いことによる。
営業利益率は、各部門とも、売上総利益が減少したことにより、前年度より低下している。
経常利益率は各部門において営業外損益がプラスであることから、営業利益率に比して高くなっている。
<参考>
営業利益とは、会社が本業から上げる利益のこと。売上から、原材料費や仕入れ費用、販売費及び一般管理費などの本業に関わる費用を差し引いて求めたものが営業利益である。営業利益率は、会社の収益力を見るための指標であり、売上のうちどのくらいが営業利益になるのかを見るもの。 営業利益率=営業利益/売上高(受託+買付+兼業)×100(%)
経常利益とは、営業利益に支払利息や有価証券売却益などの本業以外の損益を加減して求めたものである。営業利益と同様、企業の収益力を見る指標である。 経常利益率=経常利益/売上高(受託+買付+兼業)×100(%)
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