取扱いに気を付けて
小さな釣り鐘のような白い花と、涼しげで爽やかな芳香のスズランは、この時期を代表する花の一つです。うつむき加減に咲くその姿から、別名は「君影草」とも。
日本ではもともと本州中部以北の山野に自生していましたが、現在は観賞用として栽培されており、その多くはヨーロッパ原産のドイツスズランです。
両者の違いは、日本のスズランよりもドイツスズランの方が全体的にやや大型で香りが強いことと、花の茎が日本のスズランが葉より短いのに比べ、ドイツスズランは葉と同じかそれ以上に伸びることです。
ところで皆さんは、スズランが有毒植物であることをご存じでしょうか。
スズランにはすべての部位に天然毒素が含まれていますので、食卓や、小さなお子さんやペットの手が届く場所に飾ることは避け、触った後は手を洗うことを心がけて下さい。
また、山菜採りに出かける方もいらっしゃるかと思いますが、花を付けていないスズランは、先月ご紹介し、今からが旬の「行者ニンニク」と間違えやすいことにも注意が必要です。
取扱いに気を付けて、春の訪れを告げる愛らしい姿を楽しんでいただければと思います。
<参考>
写真提供:国立科学博物館筑波実験植物園
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