古の歌人も愛した花
8月もまだ半ばですが、暦の上ではもう秋。
今日は秋の七草のうちの一つ「ナデシコ」をご紹介します。
ピンク色で直径4~5㎝ほどの花が咲き、5枚ある花びらの先が糸のように細かく分かれているのが特徴のナデシコ。
正式名称はカワラナデシコといい、ナデシコ科ナデシコ属の多年草です。
秋の七草は、万葉集の中にある二首の歌が由来とされています。
当時は秋の野の花が咲く野原を散策して短歌や俳句を詠むことが行われており、ナデシコを詠んだ歌も万葉集に多く残されていることから、古くから日本人に愛されてきた花でもあります。
河原などの開けた場所や人が草を刈り取った後の草原など、日当たりのよい場所を好むナデシコは、野生種でありながら人間の生活と深くかかわっている花と言えます。
しかし、近年ではそういった人の手が入った場所が減ってきたことに伴い、だんだんその姿を見ることが少なくなっているそうです。
皆さんももしその可憐な姿を見かけたら、ぜひそっと見守ってあげて下さい。
写真提供:国立科学博物館筑波実験植物園
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