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お釈迦様が最後に見た花?
6月になると、白い花びらと黄色い蕊(しべ)との対比が美しい「ナツツバキ」が咲き始めます。
日本の本州から朝鮮半島南部が原産地のツバキ科ナツツバキ属の落葉樹で、朝に開花すると夕方には落花する一日花です。
別名は「シャラノキ」。
釈迦がこの樹の下で入滅したと伝えられていることから、仏教においては聖なる樹とされています。
また、平家物語の冒頭で、「沙羅双樹の花の色・・・」と語られていることでも有名な樹です。
しかし、釈迦の入滅時に側にあったとされるシャラノキは、本当はナツツバキではなく、インド原産のフタバガキ科サラノキ属の落葉樹「シャラノキ」だったと言われています。
こちらの樹は寒さに弱いため、日本では温室など特別な環境でなければ育たないそうですが、小さくて淡黄色のとてもよい香りの花を咲かせるそうです。
ナツツバキを日本では自生しないシャラノキに見立てた理由は諸説ありますが、梅雨で蒸し暑いこの時期に咲く清楚な花を見ていると、そこだけに涼やかな風が吹いているように感じられます。
写真提供:(一財)国民公園協会京都御苑(上)、草津市立水生植物公園みずの森(下)
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