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嫁いだ娘を気遣って
今日は、滋賀県の湖北地方に伝わる郷土料理、「焼鯖そうめん」をご紹介します。
全国各地で田植えの作業が進んでいると思いますが、皆さんは「五月見舞い」という風習をご存知ですか?
かつては、農家の方々にとって、田植えの行われる五月の農繁期は、現代では想像できないほどとても忙しかったそうです。
しかも、お嫁さんは農作業で疲れ果てて帰ってからも夕食の支度をしなければならない。
そんな嫁の立場を案じ、親元から嫁ぎ先の娘に焼いた鯖を届けた習わしが、五月見舞いです。
調理済みの焼鯖はすぐに食べることができ、おいしくて栄養価も高い。
その焼鯖をしょう油や砂糖などで甘辛く煮て、煮汁にそうめんを絡めたものが、「焼鯖そうめん」です。
焼いた鯖の香ばしさと、煮汁をまとったそうめんとの相性が絶妙なこの料理。
親の思いのこもった農繁期の定番料理としてだけでなく、客をもてなす際の料理としても地元で愛され続けています。
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