北はどっち?
春の青空の下で咲くその姿は、まるで白い鳥が羽ばたこうとしているようにも見えます。
本日ご紹介するのは、大きな白い花がこの時期ひときわ目立つハクモクレン(白木蓮)です。
ハクモクレンはモクレン科モクレン属の落葉性の植物で、原産地は中国です。
モクレン属の中では大型の種類で、高さ10〜15mまで成長し、3月頃、葉が出る前に白くて大きな良い香りの花を咲かせます。
なお、日本でモクレンというと、一般的には花びらの外側が赤紫色の花を咲かせるシモクレン(紫木蓮)を指すことが多いですが、こちらの花の開花時期はハクモクレンより少し遅めの4月頃で、高さも3〜5mとハクモクレンよりは小さめです。
また、ハクモクレンによく似た形で大きさは半分程度の白い花を咲かせるコブシも、日本に自生するハクモクレンの仲間です。
ところで、モクレン科の植物が「方向指標植物」と呼ばれているのをご存知でしょうか。
これらの花をよく見ると、つぼみの先端が同じ方向になびいていることからこのように呼ばれているのですが、これは、つぼみが大きくなっていく間に、よく日が当たる南側が特に成長して膨らみ、結果的につぼみの先が北を向いていくためです。
画像は、担当の自宅近くのハクモクレンです。少し分かりにくいですが、つぼみの先端が右側(=北)を向いている花が多いです。
日当たりの良い場所に植えられている木であれば、もっとはっきりとつぼみの先端が北を向いているのが分かりますので、皆さんも見つけたらぜひ観察してみて下さい。
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