寒さが作る伝統保存食
立春も過ぎましたが、まだまだ寒い日が続いています。
本日は、凍てつく気候風土が生んだ信州の伝統的な保存食、「凍りもち」をご紹介します。
凍りもちは、長野県の大町市や上伊那などで冬の厳寒期に作られます。つきたての餅をのし、1食分ずつに切り分けて和紙で包み、ひもで5連から10連に結わえます。
2~3日冷水に浸した後、軒下につるし、2ヵ月ほど寒気にさらすと次第に水分が無くなり、乾燥した餅が出来上がります。
夜間は気温がマイナス5度以下、日中はプラスになるという寒暖の差を利用して、「凍ったり、とけたり」を繰り返します。
餅全体を乾燥させるのが技の見せ所、風通しの工夫をするなど上手に乾燥できないと中心部がかたい餅のままになってしまうとのこと。
そのまま食べるとサクサクとした食感で、お茶うけやおやつに最適。水やお湯で戻すと離乳食にも使われるほど柔らかく、とろっとした餅になります。
また、保存がきくので非常食としても重宝します。
例年1月から始まる凍りもちづくり、3月のお彼岸頃の出来上がりが楽しみです。
写真提供:JA大北
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