伝統の技
平安時代の古文書に、祝いの宴会料理のスケッチがあり、その中に記録があったとされるかまぼこ。
今から約900年前の1115年のことで、この年号にちなみ、11月15日が「かまぼこの日」になりました。
当時は形が今のちくわ型で、植物の「蒲の穂」に似ていたことから「かまぼこ」と呼ばれるようになったそうです。
その後、様々な食文化の中で姿、形を変え、現在、日本各地で郷土色豊かなものが作られています。動物などをかたどった色鮮やかな細工かまぼこもその一つで、慶事に欠かせない縁起物として重宝されてきました。
富山には鯛や鶴などの細工かまぼこを親戚やご近所などにお裾分けして、喜びを分かち合う習慣があります。絞り袋を絵筆のように使い一つずつ職人の手によって描かれたものは、とても華やかで目を奪われます。
一人前になるには10年かかるとも言われますが、目でも舌でも楽しめる伝統の技を永く伝えていって欲しいものです。
写真提供:(株)梅かま
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