チリ、極右候補を破り、革新大統領が選挙で勝った
印鑰 智哉さんからRT
チリ、極右候補を破り、革新大統領が選挙で勝った(1)。
添付したのは5月の議会選挙。投票で勝った女性が過半数を超してしまったので、男性に議席が譲られた。この時の選挙でも民主派が3分の2を取っていた。
ここで期待したいのが資本のグローバリゼーション、国際的な新自由主義の潮流を反転させる動き。
チリはTPP参加国で、TPPへの批准は下院では2019年4月19日に承認され、その時は上院での承認ももう時間の問題かと思った。
でも、そこからがすごかった。
TPP承認は憲法違反であると訴訟(2)、全国的な反TPP運動によってTPPに関する全国住民投票が実現し、なんと92.7%が批准に反対(3)。
そして今回の大統領選挙は接戦となったが、TPP批准反対を公約に掲げる大統領候補が勝利した。
チリは新自由主義の実験が始められた国だ。
1973年9月11日の軍事クーデタによって大統領を含む多くの人が殺され、その後の新自由主義政策によって長く苦しみが続いた(この自由という言葉と軍事独裁政権による強制の組み合わせは新自由主義の本質を物語っている)。
この経験から新自由主義と訣別する思想と行動が生まれるのは必然的なことだろう。
その中でもTPPとは農家の種子を奪うモンサント法の押しつけだとする運動はチリで支持を拡げてきた。
残念ながら「モンサント法案」の押しつけは日本を含む世界で進みつつある。
そして農地が奪われる事態も世界大で進みつつある。
種子と土地が奪われたらどうなるか?
それはデジタル封建制と言わざるを得ないような反動的な世界だろう。
でもこの流れを変える重要な動きも始まっている。
その象徴が小農及び農村で働く人びとの権利宣言だろう。
その誕生3周年を祝って、国際的な農民団体であるラ・ビア・カンペシーナによってブックレットが発行された(4)。
日本ではオブラートに隠された動きが着々と進みつつある。
そんな中で人びとの生存すら危うくなり始めている。
何をすべきか、このチリ大統領選の結果を前に、しっかり考えたい。
(1) チリ大統領選、左派のボリッチ氏が当選確実 相手候補が敗北認める
(4) 小農の権利宣言のガイドブック
United Nations Declaration on the Rights of Peasants and Other People Working in Rural Areas Introductory Booklet
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