農業所得も子どもの数も増加させたそのワケは?
シリーズでお送りしている「連載:食料・農業・農村白書」。
今回は、基盤整備を契機として担い手が増加し、農業所得も子どもの数も増加させることに成功した長崎県島原市の三会原地区の事例を紹介します。
Q:基盤整備後、地区の農家の農業所得が増加したとのことですが、詳しく教えてください。
A:畑が集積されて面積が増えたこと等により、大型の機械を用いることができるようになって、作業が効率化しました。
実は、1枚の畑にかかる作業時間は、畑が広くても狭くても大きく変わりません。
畑がまとめられて枚数が減った分、全体の作業時間を減らすことができました。
作業時間が減ったため、それまでは年に2作だった人が3作に、3作だった人が4作できるようになり、収穫回数が増えた分、収入が増えました。
市場に出荷する量も増え、年間を通じて安定的な供給が期待できる強い産地として市場内での信用が高まり、卸売単価も上昇しました。
Q:担い手が増えた最も大きな理由は何でしょうか。A:基盤整備をする前は、ほ場が小さく分かれていて、人間の労力に頼る部分が大きく、大変でした。基盤整備により機械化が進み、作業が重労働ではなくなってきたため、若い人が入りやすくなったのだと思います。
収入がないと若い人も残ってくれないので、収入が増えたことも大事な要素です。
Q:ほかの地区と比べて小学校の児童数が増えています。これはどうしてだとお考えでしょうか。
A:若い世代の農家が多いことが子供の多さにつながっていると思います。
また、基盤整備前はどうしても労力がかかるので、子どもの面倒をみることができる人が少なく、産みやすい環境が整っていない面がありました。基盤整備により機械化が進んだ結果、祖父母世代に少し余裕ができ、孫の面倒をみてもらえるようになったことも、子どもが増えた要因のひとつだと思います。
三会原地区の皆さま、ご協力ありがとうございました!
基盤整備が、農業所得も子供の数も増加させたそのワケは?(農林水産省)
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