スーパーは安売りを武器に発展してきたのでは?
このところどこの市場の催事を見ていてもギャラリーがとても少ないです。
まるで流行らないフリーマーケットのようで、肝心のギャラリーの姿は少なくてプレヤーだけが目立つのです。
挙げ句の果てはプレイヤーたちで物々交換してお終い。(笑い
こんなフリマは一過性のブームに乗っただけで長続きしません。
さて首都圏の市場でこうですから、ましてや地方の市場など想像するに難くありません。
東京都11ヶ所の中央卸売市場でも、はっきり言って残れる市場を数えたほうが早いかも知れません。
なぜか?
中央卸売市場の取扱高もピーク時からすると、ほぼ半減しています。金額にして2兆円ほどがシュリンクしているのですから影響が出ていて当たり前です。
これまでの青果物流通の大きな経過をみますと、昭和30年後半、ようやく戦後の食料難が緩和されてスーパーが台頭してきました。スーパーはパパママストアの八百屋を駆逐しながら勢力を拡大してきました。
一方、市場の経営からしますと、八百屋の減少分はスーパーの拡大で穴埋めが可能でした。だから市場にとってはスーパー、量販店の出現が救世主でした。
その時のキーワードは「脱八百屋市場」で、いかに産地対策、量販店対策をするかが経営のポイントでした。
ところが平成になりますと、そうした対応が出来ずに中央卸売市場の卸売会社でも廃業していくところが出てきました。
そうした大きな変化に対応できたところは勢力を拡大して、廃業していく卸売会社を傘下に入れていきましたので中央卸売市場という場は存続できています。だから一見何事もなかったようですが、経営の中身は大きく変化しているのです。
しかし、ここでまた市場は大きな変化に見舞われています。
それは勢力を拡大してきた量販店の販売不振です。ことに大型量販店はどこも青息吐息です。本家アメリカの名門デパートや巨大スーパーが販売不振で多くの店舗をスクラップ中です。
ここではっきりしてきたのは、不況に強いのはGMSではなく食品スーパーということです。
株式を上場して大型化していくと、もう安売り出来る体質ではなくなります。
思い出してください。スーパーは安売りを武器に発展してきたのではありませんか?
しかし、どこのスーパーもいまや価格競争力を失っているようです。
やはり地域に密着した薄利多売の小売業が不況にいちばん強いはずです。
むかしの人のよく言った名言で終わりにしたい。
「屏風と商売は広げると倒れる」のです。
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