「山形県の在来作物と食文化」からシェア
「 藤沢かぶ 」から学ぶ価値の創造
湯田川温泉にほど近い鶴岡市藤沢地区の「藤沢かぶ」は、絶滅の危機に瀕していた。当時、高齢の渡会さん一人だけが唯一タネを自家採種し、なんとか繋いでいる状況であった。
渡会さんの身内で後継者はおらず、このまま行けばタネが途絶えるのが明白。
そこで、まず最初に立ち上がったのは地元の後藤さん。渡会さんからタネをリレーし、焼畑での栽培を復活をさせた。
復活させたとはいえ、それを消費するものがいなければ継続は出来ない。
この復活劇を支えた立役者は、買取を保証した地元の漬物屋「本長」であろう。この問題が解消することは、作る側から見ればかなり大きい。
また、世界的な料理人 奥田 氏が料理に使うことで同時にプロモーションがなされ相乗効果を生み出した。
学術機関の後押しも見逃せない。山形大学農学部の江頭氏が代表を務める在来作物研究会が中心となり調査を行い学術的、歴史的要素が次々と明らかになった。さらには、在来作物とそれに携わる人々のライフスタイルを描いた映画「よみがえりのレシピ」の上映も全国各地で行われた。
ところで、地元の有志、料理人、購入者(漬物屋)、学術機関、映像クリエイター、立場の違う彼らのその行動を支えた共通の価値はなんだったのか。
それは「文化財的価値」に他ならない。
この価値を見出した瞬間から「藤沢かぶ」は単なるモノではなく、世代を超えて人々が暮らしのなかで共に生活してきた文化の象徴となったのだ。だからこそ共感する人々が現れ、次々と広がりを見せた。
現在、この成功事例は先進事例として高く評価され、全国に浸透していっている。
また、「藤沢かぶ」は圃場を拡大し、後藤さんからさらに継承のリレーが行われようとしている。
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★伝統野菜「藤沢かぶ」の復活を願って!
「文化財的価値」の意味を理解しそれを支えたのが地元の有志、料理人、購入者(漬物屋)、学術機関、映像クリエイター、立場の違う人々だった。
一昔前なら、ここに市場の人たちが絡んだのだが今はすっかりカヤの外。存在価値を失くすとともに市場外流通の拡大にますます拍車がかかっている。
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