幻のお茶
寒くなってきて、温かいお茶が恋しい季節となりました。
今日は「釜炒り茶(かまいりちゃ)」のご紹介です。
宮崎県五ヶ瀬町(ごかせちょう)、高千穂町(たかちほちょう)、日之影町(ひのかげちょう)は、全国的にも珍しい釜炒り茶の生産地です。
釜炒り茶とは、文字通り、「直火の釜で炒ったお茶」のこと。
釜炒りの手法は、15世紀に中国から伝来したものですが、18世紀に蒸し製のお茶が主流になってからは、九州のごく限られた地域でしか生産されておらず、今となっては、全国生産量の1%にも満たない「幻のお茶」となりました。
特徴は、「釜香(かまか)」と呼ばれる芳しい香りと、渋みが少なくあっさりとして清々しい味わい。
また、300度に熱した鉄釜で茶葉をかき混ぜるなどの工程により、茶葉はねじれて丸まった“勾玉(まがたま)形”となります。
この釜炒り茶を含め、山間地の環境で育まれた特徴的かつ持続的な農林業が継承されている高千穂郷・椎葉山地域は、平成27年に世界農業遺産に認定されています。
時代が変わっても、伝統の香りと味はしっかりと引き継いでいきたいですね。
世界農業遺産 高千穂郷・椎葉山地域(世界農業遺産高千穂郷・椎葉山地域活性化協議会事務局)
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