笹の芸術
先日は七夕の笹飾りを紹介しましたが、笹は料理にも使われます。
殺菌作用や防腐効果があり、深い緑色が料理に彩りを添えることから、冷蔵庫のない時代には、料理の下に敷いたり、料理を包んだり、味や色が移らないよう、料理と料理の間に挟んだりしました。
料理用の笹は、20㎝ほどのコンパクトな隈笹が一般的ですが、昔は「ハラン」という植物の、50㎝程もある大きな葉が使われていました。
形は笹に似ていて、殺菌作用があるため、郷土料理の「押しずし」や「なれずし」などに用いられます。
江戸後期ににぎり寿司が誕生すると、職人の包丁さばきを向上させるための練習の一つとして、笹切り・ハラン切りが行われるようになり、剣やツルなどの模様が切り抜かれるようになります。
中には、写真のような「飾り物」と呼ばれる、実用を離れた芸術品を作ってしまう職人さんもいるそうです。
今ではビニール製の代用品が一般的ですが、寿司職人さんの世界には、日本ならではのすばらしい技術が受け継がれているんですね。
写真提供:静岡県鮨商生活衛生同業組合(2枚目)
地域情報サイト「まいぷれ川崎市版」(3枚目)
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