冬のご馳走 「かぶら寿し」
師走も半ばとなり、寒さが身にしみる季節となりました。でも、そんな寒い時期だからこそいただけるご馳走があります。
今日ご紹介するのは、金沢の冬の郷土料理「かぶら寿し」です。
かぶら寿しは熟れ寿司(なれずし)の一種です。
熟れ寿司とは、肉や魚などを塩と米飯に漬けて重しをして乳酸発酵させたもので、保冷設備のなかった時代に動物性タンパク質を長期保存するために生まれた食品です。
有名なものには、滋賀県の鮒寿司があります。
厚めに切って塩漬けしたカブの間に塩漬けした鰤を挟み、たっぷりの米麹と千切りにしたニンジンをまぶし、重しをして漬け込んだかぶら寿しは、「寿し」と名前にありますが、どちらかというと漬物に近い料理です。
食べる時は米麹は取り除かずに一緒にいただくのですが、カブの塩味、鰤の旨味、米麹の甘み、そして醗酵により生じた酸味が一体となった、なんともいえない美味しさです。
初めてかぶら寿しを見る方は、たくさんの米麹にびっくりするかもしれませんが、機会があったらぜひ召し上がってみて下さい。
金沢出身の担当がお勧めの、自慢の郷土料理です。
写真提供:金沢市
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