少量多品目野菜が「道の駅」から販路拡大する!
東京都中野区と茨城県常陸太田市がこの8月、高速バス(一日6便ある)を使った産地直送事業を開始して注目を集めている。
「道の駅ひたちおおた」の生産者が朝どりした野菜を販路拡大のために始めたもの。
同道の駅は高速バスの停留所にもなっており、この道の駅から商品を発送している。
バスの車両は往路と復路の間、中野区江古田の車庫に待機していて、中野区のスーパーや商店はこの車庫で注文した野菜や果物を受け取る。中野区ではスーパーや商店街にも参加を呼びかけており、売れ行きに応じて回数を増やす予定。
この界隈の野菜栽培は少量多品目栽培が主体で、こうした野菜を大消費地に運ぶのには輸送費が高くつくのがネックであった。
そこで考えられたのが、常陸太田市と東京・新宿を結ぶ茨城交通の高速バスを使用した産直である。
朝どれした野菜が午後には中野のスーパー2店舗で販売される。毎週火曜日と金曜日に定期配送され鮮度の良さと手軽さが消費者に喜ばれているのだ。
その日に朝どりした野菜がその日に消費者の台所に届くわけだから、市場流通よりはるかに荷傷みもなく鮮度が良いのだ。
仕組みはこうだ。
常陸太田市の第三セクターが農家から野菜や果物を集め、保冷コンテナに詰めてバスに載せる。配送できる商品は中野区のスーパーなどにあらかじめメールで伝え、発送前に注文を受ける。
バス会社に支払う運送料などは、常陸太田市が採択を受けた国の地方創生加速化交付金を使用するというところがミソだ。
いままでは少量多品目で野菜政策の対象にならなかった野菜が、高速バスの利用でその日のうちに大消費地に届いて販路拡大につながっている。頭を使うと、まだまだ打つ手は無限にありそうだ。
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