飴細工
お祭りなどで飴細工を作っている光景に出くわすと、思わず足を止めて見入ってしまいます。
棒の先についた丸い飴があっという間に鳥や動物の姿に変わっていくのはまるで魔法のようです。
飴細工は、90度程度まで熱して柔らかくしたひとかたまりの飴を、素手と和はさみ一本で成形し、筆で彩色する日本の伝統的な食文化の一つです。
飴は冷めると堅くなってしまうため、わずか数分の間に仕上げなければなりません。
原料となる水飴は、とうもろこし、サツマイモ、米などに含まれるデンプンを大麦麦芽などの酵素で分解してできるもので、古くは「日本書紀」に神武天皇が大和丹生川のほとりで水無飴を作ったという記述が残されています。当時の製法は分かっていませんが、米を原料とする水飴状の飴であったと推測されています。
ちなみに、洋菓子の世界にも飴細工は存在します。日本の飴細工が、飴売りが町に出て子供たちの前で鳥や動物を作り上げるという制作過程を見て楽しみ、味わうものとして発展してきたのに対し、洋菓子の飴細工はパティシエが厨房で作成し完成品を芸術として鑑賞するものとして発展してきました。
食べるのがもったいないくらいきれいな飴細工。伝統的な飴細工に加え、職人さんオリジナルの飴細工もあるようです。いつまでも飾っておきたくなりますが、目で楽しんだあとは賞味期限までにおいしくいただきます。
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