山形県の在来作物と食文化から
畑なす畑地区本合海地域新庄市
畑なす-hatanasu-の「畑」は、はたけではなく地区の名称。
300年以上前の江戸時代から育てられてきた。
諸説あるが、北前船によって上方の文化とともに、港町酒田から最上川を経由してその種が畑地区に持ち込まれたと言われている。
そう考える理由は二つある。
通常、茄子は北に行けば小さなサイズとなるなか、この「畑なす」の形状は極めて異質。この説が有力と考える大きな理由の一つである。
次に形は京野菜の賀茂茄子によく似ている。
出荷される際はそれよりふた回りほど小さなサイズなのだが、生産者いわく追熟させれば賀茂茄子のようなサイズまでなるそうだ。
以上のことから、先祖を辿れば賀茂茄子に行きつくのかもしれない。
気になる味なのだが、これまた絶品。
火を入れるとトロットロになり口のなかで溶けていくような感覚がある。
さらにクセのない味で形も崩れない。
この「畑なす」のポテンシャルは極めて高い。
その食味の良さから、生産体制と販路さえ確保できれば飛躍するに違いない。
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