寺院で酒を造っていた…。
そのような酒を僧坊酒と言いま
当初は神々に供えるため(神仏習合)と言われますが、徐々に販売されるようになりました。
なぜ寺院でそのようなことができるのか?
寺院には人材がいます。寺院には荘園から貢納される米が たくさんあります。そして寺院は、文化の最先端を担っていました。
前回紹介した正暦寺は興福寺の別院で、人材も、米も、技術もありました。
そして、酒造りに適した水もありました。そんな中生まれたのが「菩提泉」という酒。
それまで麹は玄米で作っていたのですが、それを白米にし、「南都諸白」と呼ばれた酒の発端をなすものでした。
発酵文化から垣間見る中世寺院の興隆、そんな歴史の描きかたもありかもしれません。