原 三郎さんからシェア
原三郎さんのプロフィール
NPO法人 日本マルベリークラブ
代表理事 President · 2004年6月から現在
桑・カイコ・絹の新しい機能の解明とその利用方法の研究、それらの効果の普及活動
Studies, development and promotion of new functions and utilization of mulberry, silk-worm and cocoon.
食べ物の腐敗防止には、防腐剤、瓶詰・缶詰、砂糖漬け、塩蔵、冷凍、乾燥などがありますが、乳酸菌を巧みに利用した伝統的な保存方法を漬物に見ることができます。
塩を全く使わない「すんき漬け」では乳酸菌豊富な前年に作った漬物を加える、糠漬けでは糠の中に乳酸菌をたくさん保っておく、漬物器を使う塩漬けでは前回に得られた乳酸菌入りの水を加える、こんな方法で急激な乳酸菌の増殖を促して腐敗を防止しています。
漬物と非常によく似た大腸の中でも、新しく入ってきた食物繊維の周りに乳酸菌をはびこらせる必要があります。
大腸の中は食物繊維やその周りで増えた乳酸菌は絶えず肛門に向かって動いていますので、大腸入口付近にいる乳酸菌は少ないのです。
だから、ただ食物繊維の補給だけをしていると、ゆっくりと乳酸菌が増えて行くだけで、大腸内滞留時間30時間の間に消化と有用物質の生産が十分に行えないのです。
これを少しでも早く乳酸菌の増殖を促すためには、消化性も良くすぐに多くの乳酸菌に利用されるオリゴ糖を大腸に届ける必要があります。
牛乳に含まれる乳糖は乳酸菌にとって非常によい餌です。
その他、最近健康食品によく使われるようになった難消化性デキストリンなども良い材料でしょう。
桑茶や粉末、錠剤などの桑の葉製品に含まれるDNJと言う化合物はデンプンのアミラーゼ消化物であるマルトースや砂糖の消化を抑えますので、マルトースや砂糖が直接大腸へ入っていきます。
マルトースや砂糖は乳酸菌の良い餌であることは言うまでもありません。
桑の葉は糖尿病の人の健康食品なのですが、健康な人のお腹を守る健康食品でもあるのです。
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