山形伝統の越冬野菜「平田赤ねぎ」
『 平田赤ねぎ 』
レストランンのシェフ達が最も注目した食材の一つ「平田(ひらた)赤ねぎ」は山形県の在来作物における究極の『ツンデレ野菜』である。
生で食べると強烈な辛みがある。切り刻めば、たまねぎのそれのように涙が止まらない。しかし、ひとたび火を入れれば一転、その辛みは「とろ~ん」とした優しい甘みへと激的に変化を遂げるのだ。
「平田(ひらた)赤ねぎ」は酒田市(旧・平田町)で、越冬野菜として農家の自家用につくられてきた在来作物。栽培期間は一般的な白ネギの7、8カ月よりも長く、1年以上かけて栽培される。手間の多さから、市販されるまでの収量には至らず細々と自家用に栽培され続け主に保存食として使われてきた。
我が国には茨城県の水戸市近郊にも在来の「赤ネギ」があるが、それは根元から5本ほど分かれており、一本ねぎに近い「平田赤ねぎ」とはその点では大きく異なる。これは、生産者が長い年月をかけて食味のいい一本ねぎを選抜し育成したからだ。見た目も鮮やかで美しいこの『ツンデレ野菜』。一度食べたら虜になるに違いない。
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