【特集】海外食料需給レポート

 

~国際的な穀物等の需給の見通し(2014/15年度)~

 

 穀物全体の生産量は、前年度より減少するものの、消費量を上回り、期末在庫率は上昇する見込み。穀物全体の期末在庫率(21.0%)は前年度(20.8%)を上回る見込み。<FAOの安全在庫水準(17~18%)>
(1)生産量:24.41億トン(前年度比-0.9%)
(2)消費量:24.32億トン(前年度比+0.7%)
(3)期末在庫率:21.0%(前年度差+0.2ポイント)

【品目別の需給見通し】
<小麦>
 生産量は、EU、インド等で増加するものの、カナダ、米国等で減少することから、世界全体では前年度より減少する見込み。生産量は消費量を上回り、期末在庫率は上昇する見込み。
(1)生産量:702百万トン(前年度比-1.7%)
(2)消費量:699百万トン(前年度比-0.6%)
(3)期末在庫率:27.0%(前年度差+0.5ポイント)
・米国の生産量は、収穫面積が増加するものの、
単収の低下から前年度を下回る。
・カナダ、ウクライナの生産量は、
収穫面積の減少及び単収の低下により前年度を下回る。
・EUの生産量は、収穫面積が増加し、
単収は前年度を下回るものの依然として高いことから、前年度を上回る。

<とうもろこし>
 生産量は、中国、アルゼンチン等で増加するものの、ウクライナ、インド、ブラジルで減少することから、世界全体では前年度より減少する見込み。生産量は消費量を上回り、期末在庫率は上昇する見込み。
(1)生産量:981百万トン(前年度比-0.1%)
(2)消費量:968百万トン(前年度比+1.7%)
(3)期末在庫率:18.9%(前年度差+1.1ポイント)
・米国の生産量は、収穫面積が減少するものの、
単収が上昇し史上最高。期末在庫率も上昇。
・中国の生産量は、
収穫面積の増加から史上最高の前年度を更に上回る。
・ウクライナの生産量は、
通貨安による資材コストの上昇から単収低下が見込まれることから、前年度を下回る。

<米>
 生産量は、中国等のアジアで増加することから、世界全体で前年度より増加し史上最高の見込み。消費量も増加し史上最高となることから、生産量は消費量を下回り、期末在庫率は低下する見込み。
(1)生産量:481百万トン(前年度比+0.7%)
(2)消費量:482百万トン(前年度比+1.4%)
(3)期末在庫率:23.0%(前年度差-0.6ポイント)
・中国の生産量は、
収穫面積の増加及び単収の上昇により前年度を上回り史上最高。
・米国の生産量は、収穫面積の増加から前年度を上回る。
・タイ、ベトナムの生産量は、前年度並み。

<大豆>
 生産量は、中国で減少するものの、米国、ブラジル、カナダ、インドで史上最高となることから、世界全体では前年度を上回り史上最高の見込み。生産量は消費量を上回り、期末在庫率は上昇する見込み。
(1)生産量:300百万トン(前年度比+5.7%)
(2)消費量:281百万トン(前年度比+3.9%)
(3)期末在庫率:29.5%(前年度差+4.7ポイント)
・米国、ブラジルの生産量は、
収穫面積の増加及び単収の上昇により前年度を上回り史上最高。期末在庫率も上昇。
・アルゼンチンの生産量は、前年度並み。
・中国では、生産減と需要増により、輸入量が増加。

 

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