原 三郎さんからシェア
原三郎さんのプロフィール
NPO法人 日本マルベリークラブ
代表理事 President · 2004年6月から現在
桑・カイコ・絹の新しい機能の解明とその利用方法の研究、それらの効果の普及活動
Studies, development and promotion of new functions and utilization of mulberry, silk-worm and cocoon.
30時間ほど絶食すると大腸の中はほぼ空っぽになって、たくさんいたはずの腸内細菌もほとんど見かけなくなります。
なぜって、みんな腸内細菌は大腸の中にいっぱいいるって思っているけど、実は、便と一緒に出て行ってしまうので、絶食を続けたりしたらほとんどいなくなってしまいます。
30時間ぶりに食事をしたら、大腸ではどういうことになるんでしょうね。
大腸の中って、食べたものによってずいぶん違いが出てくるんですよ。
① 焼肉でご飯を食べた、
②野菜と焼肉でご飯を食べた、
③桑の葉を飲んで、野菜と焼肉でご飯を食べた、
の3種類の食べ方ではどんな違いがでてくるでしょうね。
① の食べ方では、肉と脂肪は全部消化吸収されますから、ご飯に含まれるデンプン以外の食物繊維だけ、酒のカスと同じようなものですね、が大腸に入ってきます。
水溶性の食物繊維が含まれていないので、腸内細菌(図①の青い点)も消化しにくく、腸内細菌の増殖もゆっくりですね。
② では、水溶性食物繊維とポリフェノール類によるα‐グルコシダーゼ阻害によってマルトース(図②の黄色の小さい点)が大腸へやってきます。
①とは違って、消化しやすい水溶性食物繊維やマルトースがあるので、腸内細菌(ピンクの点)も急速に増殖します。
③ 桑の葉を飲んでいるので、大腸へやってくるマルトース(図③の黄色の点)の量も多く、水溶性食物繊維も有るので、腸内細菌(黄色のやや大きめの点)の増殖は一段と早いですね。
この後、30時間をかけて大腸を通過するのだけれども、最初から腸内細菌の増殖が活発な②や③のような食べ方をしていれば大腸を通過する間の食物繊維の消化も多くなるし、有用物質の生産も増加します。食べ物が如何に重要かお分かりいただけるでしょ。
食事に少し気を使っていただければ、大腸内で作られる有用物質もずいぶん違ってきます。
同じ食べるなら、少しでも役に立つものを食べたいものですね。野菜、野菜ですよ!
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