「無駄の効」は大切なことだ

 

東京・大田市場でも神田市場から移転した当初は、まだすべてに余裕があったので卸の役員クラスたちは小売商組合にお茶飲みに行っていたものだ。そこが朝の社交の場であったからだ。

東京市場の場合は、大阪市場と違い小売商がかなり力を持っていたから組合の役員さんたち相手に世間話に参加していた。むろん情報交換もすれば売り込みもあった。

一見、物凄く無駄のように見えるがそこには大きな無駄の効もあった。

競売場でも卸の役員が小売商組合の役員に深々と頭を下げると、トマト3ケースが5ケース、10ケースとなったのである。

だからお互い早朝の競売場には社交場としての楽しみがあったのだ。

いまは効率優先でハンドルに遊びがない。「いる?いらない!」「安い?高い!」会話にも遊びがないので商品が動かないとまったく動かない。お互い余計な仕事などしてる余裕がない。

おまけに市場外流通が拡大の一途だから、相場の読みだって狂いっぱなしだ。

市場流通が50%を切ったら、市場は間違いなく社会的使命をなくしていくだろう。

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