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秋田杉のお弁当箱
秋の運動会の季節になりました。
運動会といえば、ご家族で食べるお弁当を思い出される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今日は、お弁当箱としても使われる、秋田の「大館(おおだて)曲げわっぱ」をご紹介します。
「大館曲げわっぱ」は、秋田杉の薄板を曲げて作られた器のことです。
樹齢が100年前後の秋田杉の大木から、木目がまっすぐになるように薄く剥いだ、節のない柾目(まさめ)板が使われます。
節があると、板を曲げたときにそこで折れてしまうため、節ができないよう、木が生長して10年を過ぎた頃から、枝打ちという作業を行い、下の方にある枝を取り払うそうです。
木が大きくなるにつれて、高いところの枝を落とすため、危険が伴う大変な作業です。
なお、秋田杉は寒いところでゆっくりと成長するため、年輪が細く詰まり、美しい木目ができます。
薄板を熱湯につけ、柔らかくした後、丸太で作った治具(じぐ)などに沿わせて曲げます。
木バサミで固定してしっかりと乾かし、曲げを定着させた後、板の両端を接着して山桜の皮で縫い止め、底板等を入れ込むと完成です。
お弁当箱の場合、完成までに約三週間!
すべて手作業です。
木が呼吸していい具合の湿度に保ってくれるので、冷めてもおいしいお弁当がいただけます。
なお、漆塗やウレタン塗装のお弁当箱もあるほか、一輪挿しやコップなど、お弁当箱以外にもいろいろな製品が作られています。
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