【日本原産のユリ】
ユリは、日本書紀や古事記に記述があり、それ以降も数々の美術工芸品や日本画などに描かれるほど、古くから日本人に親しまれてきました。ヨーロッパでも切手、貨幣、勲章、紋章、装飾などに広く使われています。
名前の由来は、大きな花が風に吹かれてゆらゆらすることから「揺り」、花が傾くことから「緩み」など諸説あるようです。
野生のユリは、北半球の温帯の北アメリカ、ヨーロッパやアジアに広く分布し、約100種が知られており、日本はそのうち約15種が自生する「ユリ王国」です。
また、ユリを花形や花の咲き方で分類すると、大きく四つに分けられます。漏斗状の花が横向きに咲くもの(ヤマユリ(写真)など)、ラッパ状の花が横向きに咲くもの(テッポウユリなど)、茶碗状の花が上向きに咲くもの(スカシユリなど)、花弁が著しく反転し、下向きや斜め下に咲くもの(オニユリなど)があります。
特に、ヤマユリは、「ユリの王者」と呼ばれる野生種で、草丈1~2m、花径25㎝前後と世界最大級の大きさです。山地などに生え、7月から8月に開花し、周囲に強い香りを漂わせます。
この野生種のヤマユリなどを親にして育成された園芸品種群が「オリエンタル・ハイブリッド」で、豪華な花を咲かせる「カサブランカ」などは、日本にルーツのある花が世界中で広く親しまれるようになった代表例と言えます。
みなさんも、花屋をのぞいたときは、さまざまな形や色のユリを見比べてはいかがでしょうか。
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