寒風に吹かれて
二十四節気の「小寒」から「立春」の前日までの期間を「寒」といいますが、一年で一番寒いこの時期、全国の素麺の産地では素麺作りの最盛期を迎えます。
素麺作りはまず、小麦粉に塩水を混ぜて生地を作ることから始まりますが、この時に大切なのが塩の量です。
生地を細く長くのばすためには、生地の弾力性を高める働きを持つ塩が必要不可欠です。
一般的に、気温が高い時は生地が柔らかくなりやすいため、生地を引き締めるために塩を多めにするのですが、あまり塩の量が多いと麺のコシが弱くなってしまいます。
しかし気温が低ければ、塩の量を減らしても生地を細く長くのばすことができ、コシの強い素麺が作れることから、冬、特に寒の時期は素麺作りに適しているのだそうです。
冬の晴れた空の下、冷たく乾いた風に吹かれてできあがった素麺は、その後温度や湿度を管理された倉庫の中でゆっくり熟成され、美味しい素麺になります。
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